ご支援をいただいた皆様へ
(下部に石田さんからのメッセージがございます。どうぞ最後までお読みください)
<支える会からのメッセージ>
こんにちは。札幌市中学教諭性暴力事件の被害者を支える会です。
いつも暖かいご支援とご関心をお寄せいただき感謝申し上げます。
2019年9月に当会が発足して以来、2021年5月末日までの間に、延べ200名以上の方から、約150万円のご寄付をお寄せいただきました。本当に本当にありがとうございます。石田郁子さんの裁判や活動の支援のために大切に使わせていただいております。収支報告はページ末尾に記しましたのでご確認くださいませ。
当会は、2019年8月23日に東京地裁で行われた札幌市中学教諭性暴力事件の判決に立ち会ったメンバーを中心に、同年9月に発足されました。発足直後から多くの方々がご支援と暖かいメッセージを送ってくださいました。
本件は、9月6日に東京高裁に控訴され、2020年12月15日に判決が出されました。判決では、請求は棄却されたものの被害の内容は事実と認められました。被害当時15歳だった生徒に教員が性加害行為をしていた事実が裁判所で認められたのです。原告の石田さんは、被害事実が裁判所で認定されることを求めていたため、上告はせず、本件の判決は確定しました。
高裁判決を受けて、札幌市教育委員会は2021年1月28日、ついに、加害者を免職処分としました。加害者がいまだに教壇に立ち続けていることに対し強く問題提起をしてきた石田さんの粘り強い努力が結実した瞬間でした。支援者の皆さんがそれぞれの場所で共感を広め世論を動かしてくださった成果でもあると思っています。
とはいえ、本件が完全に終わったわけではありません。2016年に石田さんが札幌市教育委員会に事件の調査と処分を求めた際の教育委員会側の対応が適切であったかどうかについての検討が、現在、教育委員会内で行われています。また、再発防止のための取り組みにも、より一層注目していく必要があります。さらに、学校内での性暴力事件に毅然として対応する必要があるということは札幌市に限ったものではありません。石田さんは昨年、「学校教師による生徒への性的行為・性暴力被害アンケート」を実施し、多くの皆さんからお寄せいただいた経験をまとめる作業を行いました。このアンケートはこれまで可視化されてこなかった学校における性暴力の実態を示すものとしてメディアでも複数回取り上げられました。また、先週5月28日に成立した「児童生徒性暴力防止法」にも当事者の声として、石田さんの意見が多く反映されています。今後も、学校内での性暴力事件についての実態調査や政策提言、啓蒙活動などを行っていきたいと石田さんは強く望んでいます。
裁判支援を掲げて立ち上がった当会としては、裁判が終わり、加害者が免職処分となったことから、会の活動に一度、区切りをつける必要があると考えました。解散してしまうのではなく、新たなフェーズに入った石田さんの活動を支えていく組織として、今度も、ともに歩んでいきたいと考えています。このことから、2021年6月1日より当会の活動を以下のように変更いたしました。
1. 会の目的:「(1)札幌市中学教諭性暴力事件訴訟の被害者を支援すること、(2)札幌市教育委員会に教員の懲戒処分を求め、再発防止策の制定を促すこと、(3)学校及び家庭で起こる子どもたちへの性暴力の実態、また成人後相当の期間が経過しても被害を訴えられない性暴力被害者の実態を、社会的に広く認知させること」
(変更前)
↓
「(1)札幌市中学教諭性暴力事件の被害にあった当事者を支援すること、(2)札幌市教育委員会に学校内での性暴力事件の再発防止策の制定を促すこと、(3)学校及び教育機関で起こる子どもたちへの性暴力の実態、また成人後相当の期間が経過しても被害を訴えられない性暴力被害者の実態を、社会的に広く認知させること」
(変更後)
2. お寄せいただいたご寄付の使用用途:「札幌市中学教諭性暴力事件訴訟とそれを支える活動のための費用」
(変更前)
↓
「札幌市教育委員会に再発防止を促すなど、学校内での性暴力事件防止活動にかかわる費用」
(変更後)
これまで使用していた、ゆうちょ銀行口座番号、クレジットカード決済方法などの変更はございません。今後も、会のホームページやSNS(Facebook、Twitter)で石田さんの活動と会の活動を紹介していきます。
変わらぬご支援とご関心をお寄せいただきますことを、伏してお願い申し上げます。
<石田郁子さんからのメッセージ>
応援してくださった皆様、
2020年12月15日に東京高裁での判決で、損害賠償請求は棄却されましたが、私が一番得たかった性的被害の事実認定がされたことは大きな喜びでした。2021年1月28日、札幌市教育委員会によって加害者である佐藤(八子)正人は懲戒免職になりました。
2016年に札幌市教委に佐藤の懲戒処分を申し立てた時は、佐藤から私や私の家族を侮辱する嘘を沢山言われ、市教委にうやむやにされ、当時の支援者たちは感情のもつれから去り、絶望のどん底でした。しかし、悪いことをした人がまだ先生をやっている、市教委は黙認している現実を黙っていることに耐えられない、という気持ちでここまで来れました。
長い時間がかかったと言われますが、提訴後から2年弱で懲戒免職にできたこと、さらに2020年9月から文科省等に政策提言をして、教育職員による児童生徒性暴力防止の新法が5月28日に成立したのは、信じられないスピードです。
一方、札幌市教委には2016年の調査の検証、今後の改善をめぐり申し立てなどしている最中である上、今後も文科省等に意見を提言することがあると思います。札幌市教委の出来事は、一地方だけでなく日本全国で起きていることであり、札幌市が改善して全国にも影響を与えられたらと願っています。
寄付などはじめ、応援してくださった皆様、ありがとうございます。今後もご協力お願いすることがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。
石田 郁子
【札幌市中学教諭性暴力事件の被害者を支える会 会計報告>
(2019年9月~2021年5月)
2019年9月の札幌市中学教諭性暴力事件の被害者を支える会の立ち上げ以降、延べ200名以上の方からご寄付・会場カンパでご支援をいただきました。1年8か月分をまとめての報告となり申し訳ありませんが、以下の通り会計報告をいたします。
●収入の部
札幌市中学教諭性暴力事件の被害者を支える会ではゆうちょ銀行、Polca(クラウドファンディング)、Syncable(クレジット決済)を利用し、また毎月のフラワーデモ会場でもカンパをお願いし皆様からのご寄付を集めました。そのほか、2019年11月26日には石田郁子さんのお話を聞く会を開催し、フェミニスト手芸集団「山姥」の協力で刺繍バッヂの会場での売上金をカンパとしていただきました。それらの寄付金とゆうちょ銀行口座の受取利子を合わせた収入は以下の通りです。
ゆうちょ銀行での寄付: 937,920円
Polcaでの寄付: 94,000円
Syncableでの寄付: 222,466円
会場カンパ: 288,585円
物品販売: 4,800円
受取利子: 5円
合計: 1,547,776円
●支出の部
石田郁子さんの裁判支援として立ち上げた当会では、上記の収入を裁判費用と裁判を知らせるための宣伝(チラシ作成、イベント開催、お礼のポストカード作成)などに活用させていただきました。その内訳は以下の通りです。
裁判費用(準備含む): 1,422,877円
チラシ・宣伝印刷費: 60,834円
チラシ・宣伝郵送費: 13,732円
イベント開催費: 1,336円
事務用品・資料印刷他: 1,758円
クラウドファンディング・クレジット決済手数料:19,835円
合計: 1,520,372円
(残金:27,404円)
その他、弁護士費用の一部には弁護士が申請した「人権救済基金」50万円が充てられました。上記「裁判費用」にはこの費用は含まれていません。皆様の寄付金とこの基金によって、裁判費用のすべてを支払うことができました。
残金は、3000円以上をご寄付くださった方へポストカードを送付するための費用に充てる予定です。まだ、ご住所をご連絡いただいていない皆様、ぜひ、ii_195@yahoo.co.jpまでご連絡ください。
温かいご支援をありがとうございました。
――
札幌市中学教諭性暴力事件の被害者を支える会
2021年6月2日