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裁判の概要・経過

​​なぜ裁判に至ったか

1993年3月卒業式前日に、通っていた中学校の美術担当だった男性教師が当時中学3年生で15歳だった石田郁子さんを美術展に誘う。その日からキスをするなどの性暴力行為が始まる。卒業後もたびたび、教師は石田さんを呼び出す。

石田さんは15歳で恋愛も性的な経験もなく、信頼していた教員の言うことを疑う発想も持てず、性暴力被害は大学2年生になる19歳まで続いた。

信頼していた大人にそのような行為をされた石田さんは精神的に混乱し、不安や生きづらさを感じるようになりながらも、必死で日々を送ってきた。

しかし、2015年、養護施設に通っていた16歳の児童が職員に性暴力を受けていた事件の裁判を傍聴したことをきっかけに、自分が経験したことが犯罪かもしれないと気が付いた。

その後、加害者の教師と面談し性暴力行為についての事実を確認したところ、教師と石田さんとの記憶はほぼ一致していた。

この面談の際の会話録音データを証拠とし、2016年2月に札幌市教育委員会に事件についての調査と処分を求める。

しかし、石田さんの前で行為を認めた教師は、教育委員会に対しては否認しており、それを理由として教育委員会は処分を行わなかった。

そのような中、石田さんは2016年2月にフラッシュバック症状が起きてPTSDを発症するに至る。

教育委員会が動かないのであれば、被害者が実際に名乗り出て被害を訴えることが重要だと考え提訴を決意する。


裁判の経過

2019年

2月8日 教師と札幌市を相手取り、約3000万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴

              提訴後、実名を公表し記者会見

4月26日 東京地裁 第一回口頭弁論期日 原告が意見陳述、裁判官は除斥期間の中間判決を行う意向を示す

6月14日 東京地裁 第二回口頭弁論期日 除斥期間に関する双方の主張の提出書類を確認

8月23日 東京地裁 第三回口頭弁論期日 除斥期間の判断のみで訴えを棄却


9月6日 東京高裁に控訴

12月12日 東京高裁第一回期日

2020年

9月24日 東京高裁第二回期日​

12月15日 東京高裁 判決 請求棄却 被害事実認定

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